はじめに
今回は、ミッキーリッチさんが語るトリニダード・トバゴの音楽SOCAの魅力についてのインタビューや、その他の質問をQ&A形式などで答えていただいています。
MICKY RICHが思うSOCAの魅力とは?
ミッキー「カーニバルという『限定された期間と時間』で流れる音楽であるのと、リリックがハッピーである事かな。 リリック(歌詞)も聞き取りやすく、日本人も共感しやすいポジティブな内容が多いところも魅力です。 レゲエと比べると歌詞の中にそこまで生活感の背景が感じれないのが逆に魅力で、非日常なあの瞬間が最高なので、やはりSOCAはカーニバルのひとことに尽きます」 マリ「TRINIDADのカーニバルに参加して思ったことはありますか?」
ミッキー「レゲエは伝えてくれる人も今の日本は多いんだけど、ソカを伝える人は少ない上にカーニバルが中心にあるから、カーニバルに参加しないと本当の面白さはわからないかもと思ったかな。
カーニバルに参加する事で本当のSOCAの魅力に気づくし、カーニバル離れてもSOCAを聞き続けてしまうんだよね」
TRINIDAD&TOBAGOのカーニバルに参加した2016年
ミッキー「日本語のレゲエ音楽をやっているアーティストの中ではソカは知っている方だったし、少し早いBPMの(曲の速さ)カリブ音楽というイメージだったんだけど、 なんでそんなにBPMが早いのか? とか なんでこうワインワインワインワインだったり? なんでハッピーなパーティーなのか? でも、これは全てがカーニバルの始まりで、結局はカーニバルに行き着くんだなとおもいました。 レゲエのダンスホールと一緒にかけるとさ、BPMが早いからやっぱり、皆ついていけなくて疲れてしまいますね。笑
でも、カーニバルってあの速さで一歩づつ*1チッピンして進むから音楽もお酒も、全てがカーニバルのためにあるなと思いました。
一歩一歩一日中街を歩いても、全く忙しくも感じないし、外でミュージックトラックから流れる爆音の早さの早い音楽を聴いて、ミュージックトラックを追いかけて一体感、お祭り感、俺はもう、、、、好きだよね。笑
東京の下町では祭り文化が根強くて、そこが地元で神輿をふんどし着けて担いできた自分にとってはぴったりだなって思えたよ」
マリ「ミッキーさん1人で歩いてましたし、行動していましたよね!覚えています」
ミッキー「うん!いけた!(出来た)」
マリ「もし、日本で祭り上級者だったら1人でカーニバルできますか?難しいですかね?」
ミッキー「いや、そんな事ないと思うよ!日本の祭とカーニバルの違いって音楽(歌)だよね。そこは音楽が好きっていう一言で全部埋まっちゃうと思うけどね。祭は神輿をかついで、なんていうか独特の雰囲気だけど、一体感という部分では一緒だからね。あとはお酒も飲んでいるからね。昔はビール瓶とか一気飲みしてから担いでいたよ」
SOCAのおすすめの曲と思い出を語る
Swappi 4D - BUBBLE ON A DJ 2012
スワッピーの声が、当時カーテルに似てたわけ!これはトリニダード行く前の自分の中でのソカヒットっていう感じです。スワッピーはかっこいいなーって思うよ。この時期は ソカとか一回離れてた時期だったから衝撃的だったよ
Fay-Ann Lyons - Catch Me "2014
Baby45の、Baby-Nonがかけてたのかなー、この時期はFayan乗ってたしね。よかったよね。こういう感じのソカはグルービーな一面もあって、面白いなと思いました。
Voice - Cheers To Life 2016
ミッキー「この年は、自分がトリニダードに行った年っていうのもあって好きな曲がいっぱいあるんだよね」 マリ「レゲエが好きな人はこのボイスのCheers To Lifeは好きですよね」 ミッキー「いやー好きだよ!これかっこいいよ!もう最高ですよ!この曲聞いて、wating on the stage聞いて、気が狂って帰って来たからね!笑 この年は、あんまり盛り上りが欠けてたって言ってたけど、俺の中だともう1番でしたよ。」 マリ「Chears To Lifeは良かったですよねーWinnerって,日本に戻ってきても、Winnerみたいな」 ミッキー「わかるわかる!From morningだからね」笑
ミッキー「他にもたくさん色々おすすめ曲はあるんだけど、頑張って絞りました」
2016年のミッキーリッチおすすめ曲
Waiting On The Stage | Machel Montano ft. Badjohn Republic | Soca 2016
Ramp Up - | Kerwin Du Bois x Machel Montano | Soca 202
今後の活動は経験を生かして進む
ミッキー「2016年は色々な経験をしたよ。あるMASのイベントでTEDDYSON JOHN(テディソン・ジョン)さんがプロモーションで来てて、歌うめ〜と感動したりね。 俺この後やるの?!とか思ったけど、いい経験だったよ。 あとはDJ SOCA MORNACHでも、トラブルだらけだったけど、HEMOさんやみんなの協力のおかげて経験もつめたし感謝しています。」 ミッキー「クラウドファンディングで行って、何が何でも、実績も欲しかったし、失敗しても経験が欲しかったし、ソカを少しでも自分の中に入れ込みたくて必死になってやってた部分もあって、その結果見事にソカにハマって帰って来ました。 でも、今だったら、あの時もうちょっと、こんなメロディーで歌えるな〜もっとソカに近づけられるなとか、多々思う事もあるけど、すごい良い経験でしたよ。」
マリ「ミッキーリッチとして、経験を踏まえて、、、、そろそろ、、、どうなんですかね?動きとかあるんですか?」
ミッキー「今現在は、ライブも曲の制作も予定はなくて、実は今、沖縄で自分でやってる事業で少し忙しいのもあるんですよね。ただ本当に最近ですが、沖縄でレゲエをやってる仲間達とレゲエという枠を超えた音楽を年間通して作っていこうかという話はしています」
マリ「それはすごく楽しみにしています」
ミッキー「後、これからの世代は若いソカやレゲエの世代が出て来てほしいなと思うよ。
MICKY RICHにQ&Aで聞いたTRINIDADとSOCAについて
Q1:これからカーニバルに行く人におすすめの食べ物
*1)ダブルスはもちろんなんだけど、カーニバル中にあさちゃんに勧められて食べた*2)マンゴーチョウかな。炎天下での塩分とビタミン補給にもなって甘酸っぱくて美味です。
*1)ダブルス
ダブルスは現地で朝ごはんやスナックのように食べられています。
スパイスとカレーと豆のコラボレーションはやみつきになります
*2)マンゴーチョウ
マンゴーだけでなく、パイナップルなどの味もあります。甘い?と思って食べてはいけません。
後味甘いという、スパイスと混ざって独特な美味しさです
Q2:ソカ入門はどうやってする?
んーカーニバル行き慣れている人と一回はトリニのカーニバルへw
Q3:ミッキーリッチとしての活動は今後どの様な風に動かれますか?(もし現在あれば)
沖縄の仲間と企んでいる事はあるけど、まだ内緒にしておきますw来年中には形にできるかな。
ミッキーリッチ個人としてはSOCAはもう完全に自分の中の音楽の一つになっているので楽曲制作も含めて、どうやって沖縄でやったら面白いか?もいろいろ検討している最中だね。よんなーよんなーゆっくりやっていくんで期待せずにお待ちください。
Q4:2022年のSOCA MUSICでお気に入りの曲は?
Problem Child - Party On Fire (Boss Level Riddim)
問題児と名乗る彼は、トリニダードの若者も憧れるバッド(かっこいい)なアーティストです。
Blaxx - Mash Up | 2022
2022年にコロナによって亡くなったアーティストBlaxxはレジェンドとして国民から見送られました。歴史に残るアーティストの最後のリリース曲で
Kerwin Du Bois - SOCA LO
プロデューサーとしての活動とアーティストとして自ら先陣をきり活躍しているアーティスト
SOCA WEEKEND とミッキーリッチの描く非日常的な空間でソカ好きを増やす
マリ「ソカの国内のイベントでおすすめはありますか?」 ミッキー「国内のソカパーティーは、自分も行きたくても行けてないSOCA IN JAPANのSOCA WEEKENDです。普通に行きたいですよ。」
マリ「そうですよね。普通に遊ぶ方がいいですよね。ミッキーさんはどんなパーティーが行きたいとかありますか?」
ミッキー「うーん、行きたいというか俺がやるならボートライドかな!」 ミッキー「やっぱりソカって他ジャンルと混ざぜると難しいんだよね。レゲエと混ざってもソカ8割レゲエ2割くらいのパターンにしないと楽しめないとおもうんだよね。一般の人はね。ダンスホールでやっても誰もついてこれないよね。 以前に行った沖縄のイベントで*1) Pick up something everythingとか言っての俺とカリビアン4人くらいだったもんね。笑 狂ってたの俺たちだけだったっていう状況があったんだよね。 あれをみんなでやりたいんだけど、それをやるには? 知らない人を巻き込むには? とか考えたんだけど、それならやっぱクルーズかなとか思ってさ、クルーズなら限定された空間と短い時間で非日常を作り出せるし、来た人が、知らない音楽だけど、のっちゃおうか?!(音楽に)という気持ちにさせて体験するような状況を作り出せれば楽しいソカの経験と思い出ができるよね。
カーニバルは街全体がソカの空間になるから、そういう状況が作られているよね」
ミッキー「みんなにソカが好きっていうと、『BPM早くない?』『忙しくて疲れる』とか言われるしね、レゲエのセレクターが俺の周りは多いしレゲエとソカの混在したパーティーでは必ず言われる。 ものすごい緩急があって、いつもと慣れない音楽聞いたら、そりゃなるよね。
でも、カーニバルみたいな非日常を味わったら俺みたいにハマる人も絶対出てくると思うよ。日本で実現するには相当難しいよね。
お祭りだからさ、街中でやるには行政も含めてやらないといけなくなっちゃうから規模がちょっと大きくなってしまうよね〜」
*1) Mr Killa - Run Wid It
インスビューの終わりに、
まり「今年のSOCA WEEKENDはライブオファーあったらこられますか?」 ミッキー「実はライブはずっと断っているのですが、今年ソカウィーケン行けるんだったら行きたいな。呼ばれたら行きますよ。」
マリ「これからのミッキーリッチの予定はありますか?」
ミッキー「元気でやってます!生きてます。2022年は仕込み2023は沖縄の仲間と色々皆さんにお届けできるかなと思います。」
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最後に
ミッキーリッチさんと、会ったのは日本のHEMO+MOOFIREが渋谷で開催していたイベントESCAPE(エスケープ)だったと思います。
ちゃんとお話したのはMighty Crown 主催のレゲエ祭にて物販のお手伝いをしていた時に、*1)OVER THE BORDERLINEがすごく好きですと声をかけて「僕自身も、自分に言うように思って歌ってます」と、そんな前向きなミッキーさんに感動した思い出があります。
そして、今挑戦つづつけるミッキーリッチさんに今後も大注目です!
今回も記事を読んでいただきありがとうございました。
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writer by Mari Torochacha
Photo by Micky Rich
日本人スティールパン奏者「原田芳宏氏が語るトリニダード・トバゴのスティールパンとの出会い」 writer by Mari Torochacha
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